<お伝えしたい事>
「路面店舗の群れ」が巨大化した結果が、
新宿や銀座という一大商業地とイメージしてみてください。
その群れの規模を、「小売り年間販売額」で並べてみると、
「へぇ、そうなんだ!」と思う事があります。
ユニクロの店舗数と比較すると、これもまた興味深いですよ。
遠藤周作の「彼の生きかた」
若かりし10代に読んだ本で忘れないこの本に、「サルの群れ」が登場します。
サルの群れには規模があり、概ね10頭から100頭のようです。
群れの規模は常に変化し、縄張りの争いで衝突し、
その群れ内にもボスを巡る序列と争いが絶えず、
人間社会と類似している事は皆さんご存知の通りです。
話が脱線する前に元に戻りますが、群れには規模があるものです。
前号のコラムで、「店舗は群れる」とお伝えしましたが、
商業地もまた「店舗の群れ」であり、
その群れの規模を「小売り年間販売額」としてみると、以下の様になります。
<商業地の小売り年間販売額>
・新宿 :9,540億 (銀座+池袋≒新宿)
・銀座 :5,297億
・池袋 :5,057億
・渋谷 :3,407億
・表参道:1,904億 (表参道≒吉祥寺)
・吉祥寺:1,898億
(出典:CBRE路面相場表より抜粋)
2007年と古いデーターですが、その売上規模は興味深いものです。
・新宿
世界一のターミナル「新宿」の売上が突き抜けており、ダントツの日本一です。
銀座と池袋も巨大ですが、その2つの商業地を合算した
「銀座+池袋」≒「新宿」とイメージすると、新宿の凄さを感じられます。
・表参道
表参道の売上規模は、新宿の約20%。
どうですか? 思ったより低いと感じませんか?
・吉祥寺
表参道と吉祥寺はほぼ同等の売上です。
山手線から離れた吉祥寺ですが、この売り上げ規模、凄い街ですね。
・渋谷
渋谷も巨大ターミナルですが、池袋や銀座の65%前後です。
2020年前後に大型SCがぞくぞくと開業しているので、
売上が銀座や池袋に追い付き追い越すなんてこともあり得るのか、今後も要注目です。
ここで参考比較事例として、各商業地にユニクロが何店舗あるのか記してみます。
一店舗当たりの売り場面積は不明にて、
あえて店舗数のみの比較としてみたいと思います。
<商業地規模と、ユニクロ店舗数>
・新宿 :9,540億 →ユニクロ:3店舗
・銀座 :5,297億 →ユニクロ:2店舗
・池袋 :5,057億 →ユニクロ:4店舗 (小型駅ナカ1店舗含む)
・渋谷 :3,407億 →ユニクロ:1店舗 (2020年1店舗閉店)
・表参道原宿:1,904億 →ユニクロ:1店舗 (2020年オープン)
・吉祥寺:1,898億 →ユニクロ:2店舗 (駅ビル1店舗含む)
上記を見ると、
池袋と吉祥寺以外は、商業地の売り上げ規模と店舗数が比例しているように感じます。
昨今のユニクロは、小型店を整理統合し効率重視の大型店舗化しているようです。
古い小売販売額の資料ながら、
3,000億円規模に1店舗あるように思えませんか!
「路面店舗含む小売販売額3,000億円規模の群れ」に対し、
ユニクロというお店が一店舗成立出来る、
そんな見方は出来ないでしょうか?
<お伝えしたい事>
「路面店舗の群れ」が巨大化した結果が、新宿や銀座という一大商業地で、
その群れの規模を、小売店舗売上高で並べてみると、
「へぇ、そうなんだ!」と思う事があります。
定量としての数字は、
定性としての創造やイメージを膨らませる事に有効です。
「路面店舗の群れ」としてみた商業地を、
小売り年間販売額という数字で並べてみる事で、
何か思い当たる事、ひらめき等・・・・がありませんか?
Comments